北海道のインフラ
道外への移動
北海道に今あるもの、特に経済活動を営む上では、冷静に事実を見つめ直して行きたいと思います。
移動・物流に要するコスト
言うまでもなく、北海道は人口分布の面でも、気候や自然環境の面でも、「本州型経済」とは同じには考えにくい面があります。
特に、移動に要するコスト、物流に要するコスト、これは時間的にも金銭的にも、日本の多くの地域とは決定的に異なる面があります。
世界一の航空路線
日本では どの地域でも、首都 東京都市圏との結びつきが強いのですが、これは北海道も例外ではありません。
札幌と東京を結ぶ、新千歳〜羽田間の航空輸送は、ボストン〜ニューヨーク間をしのぐ、世界一のドル箱路線と言われています。便の発着もひっきりなしに行われ、新千歳空港での羽田便はいつでも活況です。
またアメリカの有名なハブ空港であるダラスフォートワース空港をモデルに作られた「新千歳空港」は、東京のみならず、日本全国さまざまな地域と結ぶ路線をもち、国内線輸送実績では、東京・羽田空港、大阪・関西空港に次ぐ、日本を代表する空港になっています。
世界一の背景
ではなぜ、ここまで航空基地としての新千歳空港が大きな輸送規模を誇ることができるのでしょうか。
実は、最近脚光を浴びた「中部国際空港(セントレア)」でさえ、国内線の面ではこれほどの輸送状況ではないのです。
札幌市(188万人)と名古屋市(221万人)の人口規模は数値的には近いものがありますが、周辺を加えた札幌都市圏と中京都市圏では大きな隔たりがあります。つまり、中部空港では、ドル箱路線になりうる「東京便」「大阪便」が無い、という決定的要素があるのです。 しかし、新幹線はひっきりなしに、東京や新大阪に向かい、東名高速・名神高速はつねに大量の陸上輸送が行われています。
北海道の他地域への輸送には青函トンネルを経由するJRの鉄道輸送を除き、航空輸送か、海上輸送を経由したトラック輸送が主力になってくるのです。
北海道外との域外経済活動では、時間もお金も、コストがかかるのです。
道内の移動
今度は、道内での移動、輸送を考えてみましょう。
北海道の約半数の人口が集積する札幌都市圏内での移動は、それほどコストがかかるわけではありません。
しかし、札幌都市圏と道内主要都市を結ぶ路線になると話は変わってきます。
都市間距離
北海道内の都市間距離は、日本の感覚で行くととても離れているのです。つまり、人も物も、乗り物に乗っている時間が、とても長いのです。
たとえば、札幌から根室まで行くことを考えてみましょう。 札幌で朝食をとり、車を走らせ続け、根室に着いた頃には夕ご飯の時間になるのです。自動車に変わる手段を選んだとしても、交通アクセス、頻度などの利便性は低く、結局は丸一日が移動時間と運転時間という、非生産的な時間と労力に向けられるのです。
札幌から東京へは、日帰り出張が容易です。早朝便に乗れば午前中には商談が出来、午後もゆったりと使えて、その日のうちに札幌に戻れるのです。
今あるものはなんですか
このようにインフラ、特に経済活動に欠かせない交通基盤からみると、マイナス要素ばかりが目についてきます。 北海道内での経済活動では、都市間距離が長いため、移動時間と労力に要するコスト負担が甚大なのです。
ですが果たして悪いことばかりなのでしょうか。
短所から事実、特長へ
実は、今まで、短所と思われていたことが、長所に転ずる場面が、ビジネスにはあるのです。都市間距離が短く、人口集積度の高い本州型経済システムと同様のビジネスモデルを構築すると、短所しかありませんが、見方を変えて、短所と決めつけず、それを事実と受け止め、さらには長所として考えてみたらいかがでしょうか。
北海道には、一般的には短所と思われていたことを、逆に長所として生かして、元気になっていった企業も確実にあるのです。
また、短所を使わずに行っていくビジネス手法もアイデア次第で生まれてくるのではないでしょうか。
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